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目次
うどんの女ネタバレ完全版
のれんの様にうどんが垂れ下がっている中、2人の男女がこちらを見ているという変わった表紙。
一体どんな話なのか全く想像がつかなくて困惑するのに、なぜだが興味をそそられるこの漫画は、作者の独特な世界観に絡み取られていくように読む人を魅了していきます。
どこにでもありそうな妄想を全開にさせた男女の話に、何故かうどんと油絵が加わってきたことで、非情に魅力な漫画に仕上がっています。でも、さっぱりどんなストーリーか分からない。そんな方に向けてこの漫画の詳細を書いていきたいと思います。
94円のうどん
ビンボー学生の味方。学生食堂でうどんを担当しているのは、バツイチで35歳の黒髪ロングの女性です。
お腹を空かせた学生たちの注文を受けて、テキパキとうどんを用意する。
大学生から見れば「おばちゃん」かもしれないけれど、心の中では抵抗したい年頃です。
今時の子は手首が細いな・・・なんて考え事をしていたら、「ネギのっかってない・・・」と指摘されて、慌ててねぎをのせます。
しかし、入れすぎて山盛りになってしまい、お互い無言になってしまいます。
それ以来、毎日うどんを食べにくる男子学生。
育ち盛りなのに、毎日昼がうどんだけなんておかしい。
ビンボーなら自炊をしたほうが安上がりだと、つい心の中でお節介を焼いてしまう女性。
「もしかすると、このこは私に会うために・・・!?」と妄想が膨らみます。
一方ネギを大盛で入れられた学生も、彼女のことが気になります。
いくらなんでも多すぎ。野菜を取れってこと?頼んでも居ないのに玉子や油揚げをのせてきたこともある。もしかしてドジっ子?それともおかんキャラ?
「つーか・・・この人オレのこと・・・!?」
94円のうどんを挟んで、お互いに勘違いの妄想を展開していきます。
気になってしょうがないから妄想しよう
学生食堂の仕事が終わると、フリルのついたブラウスに柄が入ったスカートで帰る女性。
平均50歳の同僚からは、これからデート?と茶化されます。
デートでもないし、彼氏もいない。
自分より年上の女性に囲まれていると、こんな服でも来ていないと老け込んでいきそうで怖いと身だしなみに気を使っているようです。
階段を下りていると、転びそうになってヒールが折れてしまいます。
こんな時はマンガでよくあるよねと、妄想にふけります。
背後からクラクションを鳴らして例のうどんの男子生徒が現れて「後ろ乗ってきます?」と声をかけてくれる。
しかし、現実は知らない男子が、後ろからバイクを通り過ぎていくだけ。
なーんてね。と歩いて帰ろうとすると、自転車に乗ったうどんの男子学生が通り過ぎていきます。
男子学生もうどんの女性の私服を見て、彼女はいくつなんだろうとうどんを頼みながら観察します。
私服はけっこう派手だった。
もしかして、下着も気合を入れているのかな。
頭の中で下着姿を想像して透視します。
スタンダードな黒?ピンクは・・・ちょっとやりすぎ。紫はありだ。水色も良いかも。でも赤は勘弁してくれ。関係ないけれど裸エプロン初めに考えたやつって神だな。本気で尊敬する・・・。
膨らみに膨らんだ妄想を断ち切るように、目の前に置かれる素うどん。
油絵で汚れたつなぎでうどんを食べに来た男子学生。
油絵科か、頑張っているなと思いながらも、いくらなんでも汚れが酷すぎてうずうずします。
我慢できなくなって、注意すると驚く男子学生に「洗ってあげるから脱ぎなさい!」とカウンターを乗り越えて無理やりつなぎを脱がせます。
なーんて、もちろん妄想で、実際には出来ません。
思わずにやけそうになるのを止めるために、別に妄想に思いを馳せる女性。
絵描きといえば定番の・・・「よかったら僕の絵の・・・モデルになってくれませんか?」
そうお願いされて、戸惑いながらも「どうしてもっていうなら・・・」と、喜んでキャンバスの前でヌードになる自分。
・・・なんてね。もちろんそんなことはありません。
しかし、お風呂に入る時についボディラインをチェックしてしまいます。
年の割には良いラインを保っていると言う彼女はボックスショーツだよ!男子学生!
大学の外で偶然出会う
1時前になるのに現れない男子学生。今日は休みなのだろうか。そう思っていると、とんかつに目玉焼きが乗ったものを持っている男子学生がいるではありませんか。
あれはA定食!うどんじゃない・・・
次の日の休みも、そのことが気になって一方的にフラれたみたいな気分になる女性。
別に、うどんが食べたくなかっただけなのだから。
そう自分に言いきかせて、母に頼まれた愛犬ハナの散歩に行きます。
散歩をしていると、チャラい恰好をした19か20歳くらいの若者が前を歩いています。
細いパンツに、あれはないわと思います。
すると、その人めがけていきなり走り出すハナ。
慌てて止めようとしますが、前の男性の元まで行ってしまいます。
慌てる女性に「俺、犬すげー好きなんですよ」と、気にしないでとハナに笑いかけた男性は、大学のうどんの学生でした。
目が合うと、お互いに「うどんの・・・」という2人。
別の休みの日に、女性は久しぶりに映画館に行きました。
でも、見たかった映画は満席だったので代わりに選んだものは大学生と40女の恋の映画。
あのチョイスは無かったと、駅のそば屋でうどんをすすっています。
するととなりに座ったのは、例の男子学生です。
互いに並んでうどんをすすっていると、2人同時に声をかけます。
「好きなんですね」そう言われてドキッとする女性「うどん」続けてそういわれて、なんだうどんの事かと勘違いしたことに気が付きます。
「あなたもうどん好きでしょ?」そういうと「僕はカレーが好きです」と言われて、じゃあなんで学食でカレーを食べないの?と、戸惑う女性。
食べ終わると2人は分かれます。
「僕はチャリなんで・・・」
「私はバス」
乗りますか?って期待してしまったことを隠す女性と、乗せてあげた方が良かったかと悩む男子学生。
でも、お互い名前もまだ知りません。
長い髪をくくりながら女性は言います。
怒らないでね、あなたの顔を覚えていなくても。
1日100人相手をするの。でも手抜きをしたことは無いわ。
何でも言って、どんな注文でも全てあなたの好きなように・・・
靴を履き替えエプロンを結ぶと、彼女は今日もうどんを提供します。
男子学生が食堂に入ってきた。
定食の前を通り過ぎ、丼ものの前も通り過ぎた。数々の誘惑をかいくぐり、彼はまたうどんへと帰ってきました。
しかし気になるのは先日の言葉。
「カレーが好き」それならば、余計なお世話かもと言いながら「カレーが好きならカレーうどんもできるのよ?」と勧めます。
「でも、学食のカレーうどんはソースで伸ばしたみたいな味がする・・・」少し嫌そうに男子学生が言うと、「ここのうどん用のカレーはだしを使って伸ばしているから美味しい」と力説します。
それならばとと、カレーうどんを頼む男子学生。
カレーを食べながら、なぜ彼女は自分がカレーを好きなことを知っているのかと不思議に思います。
もしかして、前にそば屋で会った時に言ったのだろうか?
そもそも、なぜ自分はずっとうどんを食べているんだろう。
始めは節約のつもりだったけれど、今はそんなに切り詰めなくてもいいのに。
まぁ、普通にうまいしな。うどん。
なんとなくあの人が気になるっいのはあるんもしれないけれど、目的はうどんだと自分に言い聞かせます。
それにしても・・・カレーうどんはうまいな。
大学の友達と、ナベをすることになった男子学生。
買い出しで、酒を買う担当になりました。
「普段はバスだから、自転車に乗せて」と言う女友達。「ぼろいけどいいよ」と彼女を後ろに乗せて自転車をこぎます。
ギーコギーコと大きな音を立てて走っていると、うどんの女性とすれ違います。
思わず「おつかれさまです」と声をかけると、女性も戸惑いながらも「・・・おつかれ」と返してくれました。
後ろの女友達に「さっきの人だれ」と聞かれますが、「うどんの人」としか答えられません。
カレーうどんを渡しながら、自転車をちゃんと油をさしてメンテナンスするようアドバイスをする女性。しかし、もう必要ないと男子学生は言います。
どうして?と聞いた瞬間、首にバンダナを巻いて、バイクの横に立つと「あなたと乗る為に買ったんです。一緒に乗って・・・くれますよね?」と言います。
もちろんそれは妄想で、そんな妄想にふける女性の前を、治った自転車で男子学生はさっそうと通り過ぎます。
何故か色気のあるうどんの絵
うどんの人。自分の彼女のことをそれしか知らない。
そう思った男子学生は、ついに彼女にカレーうどんと一緒に名前を聞きます。
緊張しながら「・・・村田です」と答える彼女。
名字しか言わなかったのに、舌の名前は聞いてこなかった男子学生。名字知ってどうすんのよ!ふつうは知りたいのは下の名前でしょ!と心の中で葛藤します。
男子学生はうどんを運びながら思います。
名字だけじゃあの人の情報少なすぎる。
「うどん村田」自分はそれしか知らないのです。
うどんを食べていると、女子学生から「毎日うどん食べてるね。そんなに好き?」と聞かれます。
すると、うどんを微笑みながら両手で差し出してくれる村田の姿を思い浮かべます。
「・・・これ、好きなのかな」逆に聞き返されて戸惑う女子大学生。
「確かにすげーきになってる。好きっていうのとちょっと違う気もするけど、アリかナシかでいえば全然アリと言う・・・感じ?」
そんなことを言われた女子大学生は理解不能です。
そんな男子学生が描いていたのは・・・なんと「うどん」の絵。
大きなキャンバスいっぱいにうねる白い線。首をかしげる講師。
下の方の黒いのはワカメだと言われて、見ているとじわじわと、どこか色気があるように見えるとコメントします。
そう言われて、うどんの海の中を裸体で横たわる女性の姿を妄想します。
ごめんなさい村田さん。僕はうどんに若干の性的興奮を覚えるようになってしまいました。
そう、うどんをいれる彼女の後姿に懺悔するのです。
講師はまさかの彼女の元夫
飲み会の席で、講師の先生に「学生と付き合ったことはありますか?」と聞いてみます。
「それをしたらクビになる」と言う先生。
例えが悪かったと慌てて「年の差はありですか?いくつくらいまでなら大丈夫ですか?」と質問します。
「お前くらいの頃は年上の方が好きだったな」と、ちゃんと答えてくれる先生。
「誰か気になる人がいるのか?」と聞きながら、教員はダメだよとアドバイスします。
教員ではないと言って、頬を赤らめて目をそらす姿を見て「キノは可愛いなー応援してやる」と抱きつきます。
しかし後日、大学の中で仕事帰りの村田さんに「チカちゃん!」と笑顔で手を振って話す田中先生の姿を見るのです。
うどんの所へ行くと「カレー?」と聞いてくる村田さん。
「今日は違うものを」と話していると、田中先生がやってきます。
アイコンタクトだけで山菜うどん+ワカメ天かす温玉ネギ多めを作って渡した村田を見て、田中先生とうどん村田は何か関係があるのではと思います。
一体2人はどんな関係なのだろうか?
あのオプション満載のオリジナルうどんをアイコンタクトで出すのだから、ただの常連なんかじゃない。きっともっと深い中だ。名前で呼び合いような。
深い関係とは何だろうかと考えて、田中先生のヌードモデルをしていたのでは?と妄想して動揺します。
思わず落としたコンテを拾おうとして、転んで友達のキャンバスを下書きをダメにしてしまったキノ。
1週間ご飯をおごるように言われます。
食堂へ行くと、新メニューのとろろうどんがあります。
これにすると言う友達。
とろろ・・・とろろうどんて・・・エロ過ぎないか?
彼のうどんの絵にもとろろが増えました。
「何かまた増えた」と絵を見てくれる先生に、「うどんとそばならどっち派ですか?」と聞くキノ。
「断然うどん派」と言われ、思い切って学食のうどんの人の話題を振ってみます。
すると「あぁチカちゃん?俺の元おくさん」と言います。
驚いてマジ?と聞くキノにマジと答える田中先生。
それはヤバいだろうと固まります。
急接近する2人
同じ大学で働いているのに気まずくないのか?
どうしたら良いのか分からないキノは、うどんを避けます。
村田も、もしかして自分は避けられているのかと気が付きます。
別に何食べたっていいじゃないか。そう自分に言い聞かせながら、お昼にうどんを食べる村田。
すると、前に田中先生がやってきて座ります。
「何?」といぶかしむと、唐突に「最近キレイになったよね」と言われ、嫌そうな顔をする村田はうっかりうどんを倒してしまいます。
慌てて拭こうとする村田の腕を掴み、耳元で「今夜うち来ない?」と、誘う田中先生。
そこに偶然キノが通りかかります。
「行くわけないでしょ」と言われて、つれない返事と少し悲しそうな田中先生。
そんな二人のやり取りを見ていたキノの横を、田中先生は何も言わずに通り過ぎていきます。
うどんの片づけをしている村田の前に、今度はキノが現れます。
ため息をついて「君さぁ」という村田に「木野です」と名前を告げます。
「何かあるならハッキリ言ってくれないかな!?」と言われて、戸惑いながら「田中先生と別れたのってどうしてですか?」と聞かれ、訳が分からず心の中で村田は叫びます。
どうしてそれを知っているのか?疑問に思いましたが、田中先生から聞いたとキノは言います。
何で別れたんだっけ?と考え込んでいると、携帯に着信音が。
とりあえずそれに目を向けると、田中から「がんばってね」とハートマーク付きのメッセージが届いていて、こいつのこーゆーとこがダメなんだよ!と思い出します。
「昼間の学食で君相手に話すようなことじゃない」と、濁して去ろうとすると、じゃあ!と飲みに誘われます。
なぜ自分は元旦那の教え子と居酒屋に居るのだろうか?
疑問に思いながらビールを飲みながらお互いの年を聞く2人。
キノは21歳で村田は田中先生の3コ下の35歳だといいます。
35歳に見えないと、苦い顔をするキノ。
今の仕事も田中先生に紹介をしてもらい、仲が良さそうなのになぜ別れたのかというキノの疑問に「本当にキライになりそうだったから」と言う村田。
自分から結婚を迫って留学についていったけれど、結婚した後もああいう性格は変わらず、そのうち毎日怒るようになったから1人で帰ってきたと言います。
結婚をする前は美術のモデルをしていたことも知り、もしかして自分の妄想は大当たりだったのではと思うキノ。
村田はその絵にホレたと言います。自分はこんな風に見えるんだと思ったら舞い上がってしまったと。
自分の事ばかり聞くキノに、ずるいと言って、キノのことも教えてという村田。目元が少し赤くなってきています。
どうしてうどんばかり食べにくるの?かと思えばいきなり来なくなったり。飽きたのかと思えば、またうどんを注文しに来る。気になっちゃうのよ。
と「結局好きなの?」そう聞かれて、緊張するキノ。好きと言おうとすると「うどん」と言って眠ってしまいます。
ここでうどんの話する?キノは困りながらも、村田を起こそうとしますが起きません。
なんとか家に連れて帰ろうとしますが、家がどこか分かりません。
自分の家に連れていくか?それとも家の人か誰かに電話をするか?携帯を開いて、田中先生の連絡先を見ます。
・・・これもなしだろうと、保険証にある住所をタクシーの運転手さんに見せて、村田をタクシーに乗せます。
すると、腕を掴んで「キノ君も乗っていこうよ」と誘う村田。
断ろうとしますが、押しに負けて同じタクシーに乗ります。
キノの手を握り、「大きいね、そういえば男の人の手はこんな感じだった。久しぶりだ」と村田は喜びます。
どうして僕は、田中先生の元奥さんちのフロにつかっているのだろうか。
水を滴らせながら、こうなった経緯を回想します。
家の玄関まで送ると、当然のように寄っていくように言う村田。「寒いしカゼひいちゃうよ?」と家の中に入るよう勧めます。
押し切られて家の中に入ると、お礼を言いながら温かいお茶を出してくれる村田のお母さん。
「真臣さんの教え子なんですって?」と言われて、田中先生の事かと複雑な表情で思います。
田中先生のことを気にするお母さん。「前はよく来てくれていたんだけれど、最近忙しいみたいで来てくれない」と言われて、離婚をしているのにどういうことだと不思議に思います。
「大学の仕事に加えて自分の創作もでしょう?健康が心配で・・・」と言われると、でもあの人だとありえるかも・・・と思いなおしますが、本人に言ってあげてほしいと思います。
友達の家が近いのでそろそろお暇すると伝えますが、こんな遅くに迷惑だから、布団を出すから泊まっていくように言われます。
そして風呂に入ることになったのです。
村田さんが目を覚ます前になんとか帰らないと、そう思いながら部屋に向かいます。
部屋を開けると、足元には脱いだ服が無造作に落ちています。
まさか・・・まさか・・・布団にくるまっている村田さんは・・・そう思っていると、寝返りをうって布団から出てきましたが、キチんと部屋着を着ていてよかった!着てる!よし!と思いながらも、がっかりしている自分がいるのでした。
とりあえず、「カゼ・・・ひきますよ」とだけ声をかけます。
すると、その言葉に反応して「オミ君?」と答えます「・・・キノです」と答えると、電気を消しておやすみなさいと言います。
これは恋?
うどんを湯きりしながら、村田は考えます。
どうやって帰って、どうやって眠ったのか分からないけれど、起きたらあの子は居なかったけれど、母親は笑顔で真臣さんの教え子が送ってきてくれたと言います。
今の子っぽいというか、草食系というかほんとうにいい子と繰り返します。
服はちゃんと来ていたし、まさか男の前で着替えたなんてことは無いだろうと思います。
でも、この感じはなんていうんだろう。大勢の学生の中から、彼だけをすぐに見つけることが出来るし、うどんを食べてくれるのか嬉しいと感じます。
やめてよ。恋じゃあるまいし。そう思いながらも2人の間に花びらが舞います。
困惑しながら村田の名前を呼ぶキノ。
慌てて返事をしますが、何も具が入っていないと言われます。
謝りながら具をのせている、そんな2人のやり取りを田中先生が見ています。
うどんを食べているキノの前に、田中先生が座ります。
気まずそうなキノ。
田中先生もうどんです。
おもむろに「・・・で、どこまでいったの?」と田中先生に聞かれ、「言わなきゃダメですか?」と逃げようとしますが、田中先生の笑顔は有無を言わせません。
仕方なく、「家まで行きました」というキノ。
その回答に田中先生の表情が、何とも言えないものになります。
「酔っぱらっちゃって、1人で帰せなかったから家までついていったら上がっていくように言われた。それで風呂を借りて・・・村田さんのお母さんが先生の健康の心配をしていました」
詳細まで詳しく話すキノを見て、田中先生は思わず笑いだしてしまいます。
「お前のそーゆーとこ大好きよ」と言います。
それを見ていた村田さんノ表情は難しく、思わずうどんをこぼしてしまいます。
隣で丼物を担当している大野さんが、慌てて「手元見て」と、しゃもじ片手に教えてくれます。
田中の大学の部屋に、怖い顔で村田がやってきます。
先日送られてきたメッセージを見せながら、「心当たりはない?このメールは何なんだ」と聞きます。
笑顔で「だって、気になるモン」という田中。
「しかしやるよね。初回でお持ち帰りとか」と茶化されて、思わず叩こうと手を振り上げると、その手を掴んで真剣な顔で心配なんだと言います。
しかし、「そんなこと言える立場?」と村田は返します。
うどんの絵の前に佇むキノ。「消しちゃおーかな。これ」と呟くと、白い絵の具を持ってきます。
3分の1程白く塗りつぶした後、「だめだろ。うどん好きだし」と思いとどまります。
頭を冷やそうと廊下に出ます。
椅子に座って田中と村田はまだ話していました。扉が少し空いています。
「自分が言えた義理じゃないが、君は大事な友人で元奥さん。キノは大事な学生。煮え切らなくて見てらんない」と田中は言います。
「21歳と35歳でどーもこーもできないから安心しろ」と村田が言うと、「したいの?」と聞き返します。
何も言えない村田。
「年でラインをひくほど、君って大人だったっけ?」と言われ「オミ君にはカンケーない」とうつむいて答えます。
「君が後悔するのを見たくない」と言われると「あんたが言うか」とツッコみますが、真面目な表情で「言うよ。好きなんでしょ?」と言われると、村田は切なそうな顔をして俯きます。そして顔を上げると「好き」と真っすぐに腕を組みながら田中に言います。
そのタイミングで部屋に入ってきてしまったキノ。
思わず部屋を出て行ってしまいます。
慌てて後を追う村田。「チカちゃん」と田中が呼び止めても、走ってキノを追います。
告白
必死な顔で「なんで逃げんの!?」とキノの腕を掴んで引き留めるとキノは困った表情をします。
「聞いといて逃げるのはないんじゃないか」と言われますが、戸惑いながらも「村田さんはまだ田中先生のことが好きなんですね」とキノは言います。
そっち意味に取ったこと気が付いた村田は「まぁ好きっちゃ好きだけど、それはあくまでも友人としてで、離婚してからはそーいうのは何も・・・・」と、途中から横を向いて言いよどんだ為、キノにそう思っていたことがあったことがバレてしまいます。
「とにかく、今は何もない」と言い切るのですが、困った表情をすると「その感じが僕にはよくわからないと」と言います。
離婚した夫婦ってそんなものなのかと、納得がいかないようです。
この際だからはっきりさせておこうと言うと、真っすぐキノの方を見て自分と田中先生の間にあるのは今は友情で恋愛感情は一切ない。私たちにとってはこれがちゃんと話し合って出した答えなのだと言い切ります。
そこまでハッキリ言われても、キノは「でもさっき、田中先生に好きって言ってましたよね」と言います。やはりそのことが気になっているようです。
そこを突っ込まれるとハッキリとモノを言う村田も、口ごもってしまいます。
すると突然村田の手を取ると、何も言わずに別の所へ連れていくキノ。
不思議そうに見る友達の横を通り過ぎて、アトリエへと連れていきます。
「これ、見せたくて」
そう言われた時には、一部を白く塗られたうどんの絵があります。
じっと絵を見た後「・・・うどん?」と言う村田。
キノが肯定すると「ほんっとに・・・好きだよね・うどん」と少しだけ呆れたように言います。
すると「うどんも好きだけれど、これ・・・村田さんなんです・・・」と下を向いて言います。
それを聞いてもう一度絵を見ながら「そーやって見ると、何か・・・やらしーかんじ」と真剣な顔で言います。
そして少し微笑むと「でも、うれしーなこれは」と言います。
その言葉が嬉しいのか、安心したのか思わず手をつないだまましゃがみこんで顔を隠すキノ。
同じようにしゃがむと「キノくんて、かわいいよね」と言います。
少し見える胸を意識しながら、あまり嬉しくないと口をとがらせます。
するとその口に村田は自分の唇を重ねます。
突然のことにビックリして座り込むと、キノは村田に向かって好きだと言います。
驚いた顔をした後、「そーいうことは目見て言う!」と言われて、困りながらももう一度目を見ながら好きだと伝えます。
なんで2回も言わせるんだと、恥ずかしそうなキノ。
「ハタチそこそこの子に好きとか言われる機会そんなにないじゃない」というと自分は35だけれどいいのかと聞いてきます。
「いーです。全然アリです」と言うので年上好きかというと、そうではないと言います。
42ならナシ。でも40は・・・あり。その差が分からないと村田は困惑します。
最終回
両想いの2人
村田の手をしっかりと握り、名前を呼び合っていると、不意に村田の体がうどんになり自分の手からすり抜けていって焦ります。
驚くとそれは夢だったと気が付き、「・・・うそぉ」と驚くキノ。
学生食堂で、2人で無言でうどんをすすっています。
好きですと言ったきり、何もない。
それなのに、自分の休憩時間には必ずきてうどんを食べている。
そんなキノと、どう接していいのか分かりません。
今の若い子はこんなものなのだろうか?
そうやすやすと誘えない気持ちも分からないでもない。
でも、自分は勝負下着を着てスタンバイしていることに気付いてほしい。
キノもきっかけが分からないと悩んでいました。
学生同士ではないので、レポートを一緒にと誘うわけにもいきません。頑張ってどうやって誘おうかと考えています。
絵のモデルでも頼んでくれたら、いつでも脱げるのに。そう思ってちょっと待ってと考え込み、気が付きます。
逆にその手軽さから、田中先生の顔が脳裏にチラつくのです。
授業中に小声で田中先生が顔を近づけてキノを呼びます。
同じように小声で答えると、下を見るように言いトイレに行ってくるよう言います。
授業は裸体の女性のデッサンでした。
トイレで壁に自分の頭を打ち付けるキノ。
あのモデルは全然好みじゃないんだ。ただ、村田さんはあーやって人前で脱いでいたんだと気が付きます。
すごい仕事だ、でも田中先生には個人的にそれをしていた・・・そう考えると気持ちがぐちゃぐちゃになるのです。
しばらく考え込むと、仕事中の村田さんに電話をします。
「今日うち来ませんか?」
やっと来たお誘い。でも少し焦らそうと思い、
「いいけど、どうしたの?」と聞きます。理由を全く考えてなかったキノは、咄嗟に「前に話していた伊丹十三のDVDがあるから一緒に見よう」といいます。
・・・自分の家にDVD無いのに。
自分から聞いたのに、DVDは口実だと思いたい。けどあの子は本当に見そうな感じがする。下着を変えに帰るべきか、いやでも、もし本当にDVDを見るだけだったらみっともないと悶々と考えます。
キノは友達の所へ行き、伊丹十三のDVDとデッキも貸してと頼みます。驚いて「なんでそんなのが必要なの?」と聞かれますが、自分から言い出したのに自分でも分からなくなっています。
パウンドケーキを持ってキノの家に行く村田。
もしかして手作り?と喜ぶキノに、母が作った上に同僚にあげようと持って来ていたとは言えません。
意外と部屋が片付いていると、キノを褒めます。
「伊丹十三のやつってどれ?」と聞くと素直に「DVDは・・・ないんです」と答えるキノ。
それを聞いてしばらくどうしようと考えた後、村田はお腹減っていない?なにか作る?と提案します。
あるもので作ろうと、冷蔵庫の中を見せてもらうと、あまり材料がありません。「冷凍うどんならある」と、うどんを出してくるキノに、思わず村田は笑います。
「結局ほんとうに好きだよね。うどん」
そう笑いながら、2人でこたつに入って仲良くうどんを食べるのです。
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感想
お互いの妄想と妄想がぶつかり合い、独特の世界観でつづられていくこの漫画は、はじめはじれったく感じました。
学食のおばちゃんと学生。一体この2人に何が起こるのだろうか?
恋にしては何かが変。変なんだけれど、何故か気になる。そうして読み進めていくうちに、ずぶずぶとこの漫画の世界観に引き込まれて行って気が付けば夢中になっていました。
登場人物が少なく、名前も分からない。けれど、2人がする妄想はすごく親近感のあるもので、自分でも身に覚えがありそうなものばかりです。
しかし、そこにうどんと油絵が加わってくると、いきなり独特な世界観になり、一気に非日常にもなっていきます。
この漫画自体がつるつると滑るうどんのように、掴みどころがないのに・・・何故か惹きつけられていきます。
正直、どれほどこの本の魅力を私が書いても、全くこの漫画の面白さは伝わっていないのではないだろうか。そう思う程、独特の世界観がこの漫画の中では完成されています。
これは本当に読んだ人でしか味わうことのできない面白さが、この漫画にはあります。
一度読んでいただけば、私が言ったことが分かっていただけるのではないでしょうか。
少しでも興味を持った方は、この漫画を読んでいただくことを強くお勧めします。