詳しく巻ごとに詳細をまとめているので、ネタバレされたら困る!という方はブラウザを閉じてくださいね。
目次
特別編 はぁとのよん②
協力
恐怖に押しつぶされそうになるドードーをよそにげぇむは進行していた。
問題を重ねるごとに難易度が上がり、事態は悪くなる一方であるため、参加者の一人が協力を呼びかける。
残った参加者は4人。全員で知恵を合わせて問題に答えることにしたのだ。
隠しるぅる
事は順調に運ぶかと思われたが、事件は起こった。それは偶然であったが、皆を決別させるには十分であった。
なんと他の参加者を騙す事に成功したら、追加で5階上がる事ができるのだ。
これにより、最初に協力を要請した参加者が死に、もう一人の参加者の女性はその味を占めてしまった。もう一人の参加者は一言も発することなく、フードを被っている。
嘘にまみれた駆け引きに嫌気が差したドードーは涙を流して、自分を信じてください、と次の問題の正解を言った。
彼の涙に心を打たれた2人はドードーのいう答えを信じ、回答した。
しかし、正解者はドードーのみ。そう、彼も他の回答者を騙したのだ。
彼は今まで、騙され、裏切られ、損をするばかりの人生を送ってきた。ドードーは極限の状況下で遂に、騙されるよりも騙す事を選択したのである。
特別編 はぁとのよん③
二人きり
ドードーは遂に、人を騙す事を選んだ。しかし、その選択はすぐに後悔へと変わる。
電流を受けている二人の参加者を見て、罪悪感がひしひしと湧き上がってきたのだ。
しかし、時は既に遅かった。次の問題の解答を教えても信じてもらえず、女性は別の回答を選択し、げぇむおぉばぁとなってしまった。
しかし、フードを被った参加者はドードーの発言を信じてくれていた。
信じる
ドードーは遂に、くりあまであと一階という所までたどり着いた。
しかし、続けて出題された問題は、このビルの会社にまつわるものだった。
答えようもなく、頭を抱えるドードーだったが、ここでフードを被った男が正解を口にする。
彼は、げぇむが始まる前にパンフレットを見たのだという。
もしそれが不正解だった場合、げぇむおぉばぁになってしまうという状況下で彼はフードの男を信じた。最期に信じる事ができたなら、死んでもいいという覚悟の上だった。
結果は、
正解。ドードーは見事、げぇむをくりあする事ができた。
残る参加者はフードの男のみ。
しかし、続け様に出題される会社にまつわる問題に諦めようとしていたその時、屋上からドードーの声が聞こえた。
彼はパンフレット片手にフードの男の正解をサポートし、フードの男も無事、げぇむをくりあする事ができた。
互いを信頼する事で勝ち取ったくりあに、ドードーは喜びに浸っていた。
そしてドードーはフードの男からこの世界の事についてひとしきり聞き終え、最後に彼の名前を聞いた。
男はフードを取り、こう答えた。
「アリス。有栖良平。」
そう、これは彼が友を失ってからビーチに辿り着くまでの空白の一夜の物語。
第23話 はあとのじゅう③
げぇむの本質
アグニ一派の過激な殺戮により、ぷれいやぁは39人までその数を減らしていた。
げぇむの経緯を聞いた有栖は、このげぇむの本質について思考を凝らす。
げぇむの目的は参加者をげぇむおぉばぁにする事。
その目的に沿うために、まじょはどんな立ち回りをするのか―。有栖はまじょ側の視点に沿って、ある結論に辿り着く。
勃発する一騎打ち
アンと水鶏はラスボスと対峙していた。彼の手には日本刀が握られていた。
水鶏はげぇむくりあの唯一の希望のため、自分がラスボスの相手になる事を決め、アンを逃がす。彼女には空手の心得があった。
一方で、生き残るためにしてはいけないこと等ない、と持論をかざしていた苣屋も事の異常さを目の当たりにする事で、アグニらに対して酷く辟易し、上からスナイパーライフルで楽しんでいたニラギと対面する、、。
第24話 はぁとのじゅう④
決着
苣はニラギに向かって飛び出した。手にしたトランプを宙にばらまきながら―。
ニラギの銃を構える手が止まる。ニラギの一瞬の混乱を見逃さなかった苣屋は、懐から手作りの火炎放射器をニラギに焚き付けた。
ニラギは全身を燃え上がらせ、悲鳴を上げながら階下の噴水へと落ちていった。彼の命が助かったにせよ、無事ではすまない。
似た者同士
ラスボスは、アグニ一派でもかなり好戦的で、殺す事に何の躊躇いも持っていなかった。
俺に過去など無い、と語るラスボスに対し、水鶏はラスボスと自分との共通点を感じていた。
今際の国には、過去に闇を抱えている。それは水鶏についても同じで、彼女は昔、男であった。彼女は昔、男として空手を習っていたのだ。
そして4階の部屋にいた有栖が、ついに行動を起こす。
第24話 はあとのじゅう⑤
守るものの差
戦う決意を漲らせた水鶏だが、不安はあった。
彼女は、昔から詰めの甘い所があった。そこに殺意の差を感じたラスボスは勝利を確信する。
絶体絶命の窮地に追いやられた水鶏の脳裏に巡ったのは、病に倒れた母の姿であった。
自分に過去はない、そう断言するラスボス。彼に守るべきものなどいない。
しかし、水鶏は違う。元の世界に帰らなければならない理由がある。
彼女は、渾身の蹴りをラスボスの喉元に浴びせ、突っ伏したラスボスに対し、止めの正拳突きを食らわせた。守るものの差が勝敗を決したのだった。
本当のラスボス
まじょは1階のロビーにいる、そう断言した有栖は宇佐木らを引き連れてロビーへと向かう。そこにはボロボロの水鶏を引きずるアグニの姿があった。有栖はアグニに
「あんたはまじょなのか?」
と問いかける。アグニは、それに答えることなく有栖に蹴りを浴びせた。
その反応から周囲の誰もが、まじょの正体を確信し、同時に絶望した。
アグニがまじょだと判明しても倒せる訳が無い。しかし、有栖だけは違った。
有栖は、アグニはまじょでは無いと確信し、アグニが殺したのはモモカではなくボーシヤであると宣言。これにアグニは図星の反応を見せてしまう―。
感想
突如挟まれた特別編を終え、「まじょがり」は一気にクライマックスを迎えます。
筆者はこの巻を読んだとき、急ピッチの展開にハラハラすると同時に、これまでに垣間見えた色々な心象風景から今際の国の正体について何となく答えを見つけられたような気がしていました。
次巻、「まじょがり」が終わりを迎えます!