詳しく巻ごとに詳細をまとめているので、ネタバレされたら困る!という方はブラウザを閉じてくださいね。
目次
第10話たいざいみっかめ
はあとの型
有栖と苅部が生還した翌朝―。小織は自分が初めて参加したげぇむについて話した。その時一緒になったのは経験が豊富の男性二人。難易度は「はぁとのさん」。
そのげぇむとは、4両の電車に一人ずつ乗り込むというもの。
その電車は一両につき5分ずつロックされ、そのうつち一両には毒ガスが充満している。
それに対して渡されるガスマスクは3つ。
この条件下で4両を無事生還するとげぇむくりあ。
そのげぇむは、最終的に第4両目、つまり最後の車両こそが毒ガスが充満している車両であった。
小織は3両目で生を放棄してマスク無しで飛び込んだため無事生還し、列車を降りることができたが、二人の男性は既にマスクを使い切ってしまい、げぇむおぉばぁ。
はぁととは、人の精神状態をゆさぶる最悪の型。心理タイプであった。
午後
苅部は、廃車寸前のタクシーのラジオを使い、「びぃち」という場所を聞き出すことに成功。暫定的な目標を「びぃち」の特定に定めた。
そこから時は流れ夜―。
四人は新たなげぇむ会場にいた。難易度の低いげぇむを願う四人をよそに与えられた難易度ははぁとのなな―。絶望の心理タイプである。そして有栖は、今夜を乗り切ることができればまた団結できると強く信じていた。
第11話はぁとのなな①
はしる亀裂
時は遡り、三日目の午前中。今際の国でのストレスに耐え兼ねた張太と小織は関係を持ってしまう。
昨晩のげぇむに参加した者とそうでない者とで完全に溝ができてしまっていた。
更に苅部は肋骨を骨折し、げぇむの参加は厳しい状況だった。
しかし苅部は、今晩もげぇむに参加する事が、4人がまた一丸となるための絶対条件であると考えていた。
絶望のるぅる
時は戻り、げぇむ会場―。そこは室内型の大きな植物園だった。行われるげぇむは『かくれんぼ』。
そのるぅるとは四人の内、一人が狼(鬼)、残る3人が羊となり、隠れんぼを行う。狼は羊を視認する事で交代となり、制限時間が終了した時点で、「狼だった一人がげぇむくりあ」
4人の内3人は確実に死ぬ―。この絶望的なるぅるを前に4人は呆然とする他なかった。
第12話はぁとのなな②
さばいばる
そこは異様な光景であった。必死に投げようとする狼に対し、それを死にものぐるいで捕まえようとする羊。泣き叫ぶ声。苅部に至っては武器まで持ち出す始末であった。
狼は二転三転し、有栖の元へ。有栖は3人を見限り、誰にもわからない場所へと隠れた。
広大な植物園の中で一人を見つけ出すのは不可能に近かった。
血眼になって有栖を探す苅部。勝敗は決してしまったかに思われたが、そこで張太が口を開く。
友達
これまで仲の良かった4人がこんな形で終わってしまうのは嫌だ、と謝罪とともに自分の想いを話す張太に、有栖の脳内には苅部や張太と過ごしたかけがえの無い思い出が逡巡した。
それは苅部にとっても同じだった。
これを受けて有栖はこのげぇむの辞退を宣言。掲示板の前まで出てきた有栖は、生き残りたい人は俺の前に出てきてくれ、と一言。彼は友情を取って自らの死を選んだのだ。
第13話はあとのなな③
げぇむくりあ
これまでの友情を蔑ろにはできないと、このげぇむを降りる事を宣言した有栖。
しかしそれは苅部と張太にとっても同じ事だった。
彼らはいくら待っても現れることはなかった。それは、この3人の友情に感化された小織にとっても同じことだった。必死に三人を探す有栖。
しかしその努力も虚しく時は残酷だった。
その後
一人取り残されてしまった有栖は出口に立ち尽くしていた。
くりあしたご褒美としてラム肉が用意されていた。げぇむを運営する何者かの悪趣味さに有栖は激怒し、我を忘れてあたり散らした。
冷静さを取り戻した有栖は3人を弔うために植物園に火をつけ、植物園ごと火葬した。
再会
有栖は地面に伏していた。彼は3人の事をどうしても忘れることができなかった。
自責の念や無力感に浸りながら、飲まず食わずで3日が経った。
幸いびざはまだあるが、体力が底を尽こうとしていた。
そんな状態の有栖を『おにごっこ』で一緒になった宇佐木が発見する。
彼女の問いかけに無反応な有栖を見て、生きる事を放棄したと判断するのだった。
第14話たいざいなのかめ
暮らし
宇佐木が拠点としているテントの中で有栖はお粥を食べていた。3日ぶりの飯の美味さに感動した有栖は生きる活力を取り戻しつつあった。
宇佐木の回想
宇佐木は幼少期を思い出していた。彼女は幼い頃から、出る杭は打たれる社会を怪物の様に捉え、嫌悪していた。登山家の父の存在だけが拠り所だった。
宇佐木は父の影響で山登りを始め、同時に父の事を尊敬していた。
しかし状況を一変させる出来事が起こる。父に偽装登山の疑いがかけられたのである。度重なる誹謗中傷や偏向報道による精神的ストレスから父は自ら命を絶ってしまう。
自分を認めてくれた唯一の存在を失い、絶望していた最中に花火を見て、彼女は今際の国に来たのだ。
有栖の決意
有栖と再会した宇佐木は一度、彼に生きる意志がないと判断した。しかしその直後、堰を切った様に溢れる有栖の3人への想い、生きたいという意志を聞き、彼女は有栖と共に生きていく事を決意した。
時は戻り、有栖のたいざいなのかめ。彼はこの世界を生き抜き、脱出する事を決意。その為に、苅部が最後に残したヒント、ビーチについて探るという目標を立てた。
感想
主要人物かと思われた苅部、張太、小織の3人が帰らぬ人になってしまうという波乱の展開となった第3巻。筆者もこれを読んだ当初は、その絶望的な展開に圧倒されました。是非漫画でも読むことをおすすめします!
次巻は謎の目的地、ビーチに切り込んでいく内容となっています!